静岡市立児童会館
〜?や!がいっぱいあるよ!!〜

  ADRRESS  静岡市駿府公園1番1号
  TEL    054−252−6161
    

 静岡市の中心街のすぐ側にあり、江戸幕府第1代将軍徳川家康にゆかりのあった駿府城巽櫓でもおなじみの駿府公園。この一角に、児童会館はたっています。児童会館が、昭和48年に静岡市の施設として出発してからもはや20数年。静岡で生まれ、静岡で育ってきた私も幾度となく、この児童会館を訪れ、多くの発見や感動を味わいました。本当に何年ぶりかでこの児童会館を訪れましたが、相変わらず、あいさつロボットの「カンちゃん」も元気そうだったし、本当に一歩足を踏み入れたとたんから、不思議なことに何やらワクワクしてくるのです。そんな空気が児童会館にはあるのです。

 今から私の大好きな児童会館についてレポートしたいと思います。子供だけでなく大人の方にも絶対楽しめる児童会館。静岡の街を訪れたら、一度足を運んでみてください。

駿府公園

駿府公園は美しい芝生とたくさんの木々に囲まれた、のどかな公園。

ハトもいっぱい。ここのハトはすごく人懐っこいんです。

会館のすぐ側には売店もあり、簡単な食事もできます。




1F  −第1展示場−


1Fは主に、67点の展示物の体験コーナーとなっています。
まず、児童会館に入るとすぐ左手にある、児童会館の@案内ロボット「カンちゃん」が私たちを歓迎してくれる。おへそのセンサーが私たちを感知し、『音声』という装置で声が流れるのだそうです。
また、なんとこのカンちゃんは「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」などで有名な、あの手塚治虫氏によるデザインなのです。
昭和48年に導入され、昭和59年には握手やお辞儀もできるようにパワーアップしたんだけど‥‥今はもうお疲れみたい。でも彼を久しぶりに見ると、「あー児童会館にきたんだなあ」としみじみ思う。

“ボクはロボットのカンちゃんです。
児童会館で楽しく遊んでいって下さい!”


パソコンコーナー


まずぐるっと一周1Fをまわってみて思ったことは、コンピューター系の体験コーナーが増えたなあ、ということでした。私が小さいころは、Pクイズコンピューターくらいじゃなかったかなあ…。設置されたのは、5〜10年ほど前のことですごく最近というわけではないのだけど、年季の入った顔なじみの展示物の中に入ってはかなり新しいもののように感じられた。

コンピューターを使って体験できるのは、チャット(Bパソコン通信)、ゲームやぬりえ(EGパソコンコーナーT、V)、自然科学についての学習などです。

               興奮  ☆☆☆
パソコンコーナー3 不思議 ☆☆☆☆
               魅力  ☆☆☆☆

10台のパソコンが置いてあり、中にはキーボードを使うものもあるんです。かなりいろいろなテーマやメニューがあるので、空いていたらいろいろやってみると楽しいと思う。高3になる私の妹も、「世界の車窓から」シリーズにハマっていた。あくまで子供が優先なので、後ろに並ばれたら、即譲ってあげましょう。親が子供にマウスの使い方を教えたり、といった微笑ましい光景も見られました。

 さきほど名前を出してしまいましたが、元祖コンピューターものもまだまだ健在でした。その名も“Fクイズコンピューター”。これには1番から6番まで、それぞれ5問ずつのクイズが用意されています。1〜4番は科学に関係するもの、5〜6番は、静岡にゆかりのある「徳川家康」と「駿府城」に関係するものになっています。“児童会館”だからといってなめてはいけません。結構常識の穴をつかれます。制限時間をつげる赤ランプにも焦らされるし、2人で楽しめるので、友達同士ではりあったり、けっこう燃えます。私が取材していたときは、中年くらいの夫婦の方々がこれをやっていました。児童会館には、実際、大人でも楽しめてしまうようなものが多いと思うけど、このクイズコンピューターもその一つだと思う。出題形式は、3択です。常識を確認したり、穴を埋めるつもりでTRYしてはいかがですか?5〜6番の問題なんて結構やりがいがありますよ!


不思議なバネ、液晶シャッター


児童会館には基礎的な科学の原理を使った展示物が多くあります。中でも、「名前は聞いたことあるし、大体はしくみもわかるんだけど、実際のところどんな感じなの?」という原理を目の当たりにできるのが、H液晶光シャッターと、Iふしぎなバネだと思います。
“Iふしぎなバネ”は「形状記憶合金」が用いられた展示物。それくらい知識としておさえてるさ、と思っていたところが、実際、指示されたとおりに手でバネをのばし、湯につけ、一瞬にして元の大きさに戻るのを見てしまうと、“うわ、すごい!!”と声を上げて感動してしまった。そんな私を見て展示物に近づいてくる子供もいた。あなたならこのバネをどう生かしますか?


    興奮   ☆☆☆
    不思議  ☆☆☆
    魅力   ☆☆☆




また“H液晶光シャッター”はおなじみの「液晶」を使ったもの。スイッチを押すと液晶に電気が流れ、分子、原子の粒の向きがそろいます。そうすることによって、白く曇っていた窓が一瞬にして透明の窓に変わるのです。


視覚トリック!


 また最近は「感覚の世界」をテーマにした展示物も増えてきています。まず、目の錯覚を利用したものに、“N凹凸一転、馬のしっぽ、ついてくる頭”などがあります。次に例として“馬のしっぽ”をあげておきます。
人の目や脳は、明るさが少しずつ変化している場合や、境界線がはっきりしていないときの明るさの違いを見分けるのが苦手なのだそうだ。



“ついてくる顔”、“凹凸一転”は、ものの動きや奥行きに対する普段の経験が邪魔をして起こる現象を用いたものです。これは本当に感覚的!すっごく微妙!しくみがいろいろ説明されていたけど、理屈じゃ捕らえにくいものがあり、不思議でした。次のものも、視覚トリックとしておかれていたものです……。


地震模型装置

 

静岡といえば、もう何年くらいいわれてきているのでしょう、東海大地震。地震の恐ろしさを体験してみよう、というコーナーがやっぱりここにはあるのです。

“CD地震模型装置”というそのものズバリという名前で、体験台と模型とが2つに分かれています。            


    興奮  ☆☆☆☆☆
    不思議 ☆☆
    魅力  ☆☆☆☆☆

 まず地震体験台の方では震度4の中震まで体験することができる。表示板には震度7まで表示できるようになっているけど、期待しすぎてはいけない。
安全面を考えてのことだと思う。

 また右のような言葉も掲示されている。これと表示板に書かれている絵をいっしょに見ると、それだけで恐怖心でいっぱいになってしまうのは私だけでしょうか!?耐震構造の大切さは、右方にある地震模型で理解することができます。体験台の順番待ちの子がよくこれに見入っています。

あなたの宇宙旅行

 
 技術が進み、日本からも多くの宇宙飛行士が宇宙へと旅立つ今日このごろ。私たちはスペースシャトルからの映像だって見られるようになりました。人工の天体もたくさん打ち上げられ、人類と、未知なる宇宙との距離は少しずつ近づいてきたようです。
 “Pあなたの宇宙旅行”では夢のような宇宙旅行の雰囲気を、少しだけ味わうことができます。約3人で一緒に座れるくらいの長椅子に腰をかけ、スタートボタンを押す。少々の間(ま)…。この間が、私はとても好きなのです。劇場とかで、明るかったホールがだんだん暗くなり、いよいよだぞ、というときになんだかワクワクする緊張感がジワジワ来るじゃないですか。ああいう感じです。映像がスタートすると同時に座ていた長椅子が上下にゆれ始め、ムードも満点です。すごくロマンの味わえるコーナーだと思う。私の子供時代はもちろんだけど、動くイスっていうのは技ありだと思います。

 児童会館の屋上にも天文台があるけれど、“O太陽系の惑星”では惑星の写真や、解説を見ることができます。星好きの子供ならロマンを感じてやまないことでしょう。実際私も、小さなころこれに見とれていた記憶があります。

ボールの運動、強力磁石、交通パノラマ

ただ見ていたり、実際いろいろ試したりしているうちに、無意識にまま、ついついハマっていた、というものがあるとすれば、代表的なのがこの3つ。

まず“Lボールの運動”は、名のごとく、パチンコ玉のような銀色の玉が、転がったり、まわったり、跳ねたりします。遠心力を使ったミニジェットコースターといった感じの展示物です。玉が転がってきて、まわって……ただそれだけの繰り返しだけだと思ったらバチが当たります。これ、実は何気にヴァージョン変化をするのです。一見は同じに見えるけど、たまにジャンプの加わるパターンになる。ぽんぽんと、またかわいらしく跳ねるのさ。しかもその台がプリンに似ていて何か気になる存在である。こっちのパターンが見たくて待っているうちに、ついついハマってしまうというわけなのです。

興奮  ☆☆☆___
不思議 ☆☆____
魅力  ☆☆☆☆__

次に、“M強力磁石”。たかが磁石と思うでしょう。されど磁石なのであります。さらにこれには‘強力’の2文字つき。第一付属の鉄の棒は私の小さなころからずっとこの磁石についているのだ。そのこともだいたいすごい。子供たちはただ地味に磁石遊びをする事に空き足らず、遠くから投げてみたり、さらに高いところにくっつけようとがんばったり。「投げないで」という注意書きもあるのだけれど……。職員の方が、強力磁石に手を近づけ、手の上から鉄の棒を立てて、「ガオー!!」とかいいながら見せていて、子供に遊び方を教えているような感じだった。私も鉄の棒を使った形作りに気付けば夢中になっていた。そして、上の方の棒をとるのに一生懸命ジャンプをしていたけれど、ふと気付けば踏み台がちゃんと用意されていた。
児童会館のあちこちには、こうした小さい子のための心配りがたくさんあります。

いっしょに写っているのは__
J走れ蒸気機関車と、手作り_
のカレイドスコープ。____

 最後に、"K交通パノラマ"。これは児童会館で一番大きな展示物。
そして中の5本のレールには、のぞみ、急行東海号、蒸気機関C56などが走っています。また、磁石でできたレールの上にはリニアモ―ターカーも走っています。また、奥の方にはロープウェイもかかり、私なんかはこのロープウェイが好きでした。小さな男の子なんかはお母さんなどといっしょに、“あ、◯◯だ!”などといってはしゃいでいました。ますぐ近くの壁には、懐かしの電車のチラシも貼ってあり、チェックする価値もあると思います。

HANDMADEな作品


児童会館をまわっていると、柱のわきや、通路の真ん中や、頭の上などにさりげなく置かれた、手作り調の、あったかみのある展示物に気付くはずです。そして実際、Qガタガタ自動車、Rツンツンきつつき、Sカレイドスコープなど、10点余りの展示物は、ここ、児童会館の職員さんたちの手作りなんだそうです。すごく素朴な感じだけれど、そのぶんよけいに身近な感じがしていい感じです。なんだか、自らの手でも、児童会館をよりよいものにしていこう、という気持ちが感じられます。そして職員さんたちも、まだ少年だったころの好奇心とかを強く持ち続けている人たちなんだろうな、と思いました。

2F −学習室、クラブ室、ホール−


 2Fは“クラブ室”と、“学習室”になっています。クラブには、天文クラブ、発明クラブ、合唱クラブなどがあります。天文クラブの場合、天文教室や天体観望会よりも高度な内容に興味や関心を持つ子供のために、月に2回実施されています。→くわしくはまた後ほど!

また、2Fにはホールもあり、ここを使って、“音楽祭”や、リコーダー合奏を楽しむ“アンサンブル・コンテスト”が行われています。私も小学校4年のときこれに友達と3人で参加したことがありました。結果はどうであれ、楽しかったし、いい経験にもなりました。


3F −展示室−

 3Fは“ギャラリー”。私が訪れたときは「社会を明るくする絵画展」と称して、小学生から中学生までの選ばれた作品がたっぷりと展示してありました。そして子供たちの飾らない、純粋かつ大胆な発想を感じ取りました。そういえば昔私の絵も飾られたことがあったなあ。保育園の年中のときに、保母の先生といっしょに描いた画用紙いっぱいのライオンの絵。私はいつになってもあのライオンの絵が忘れられない。

屋上 −天文台−

 屋上にはドーム型の天文台がある。そしてここで“天文教室”や“天体観望会”、そして“天文クラブ”などが開かれます。けれど関係ないときは閉っているらしく、ドームに行くための螺旋階段の入り口に、もう既にクサリがかかってしまっており、そこに行き着くことすらできなかった。でも小学生のとき、私も母の誘いで、1度“天体観望会”に参加したことがあります。その時のことはよく覚えていないけれど、今も星は好きなので、きっといい影響を受けたのだと思います。

 週5日制に対応するために・・・
 学校の、週5日制に対応していくために、児童会館でもいろいろがんばっています。例えば、毎月の第2土曜日には、“開放科学教室”や“開放美術教室”、“サイエンスショー”や“手作り工作”、“子供映画会”のなかから2〜3種類程度を組み合わせて実施しているそうです。
 私もちょうどサイエンスショーを見ることができました。そして大いに感動しました!
 サイエンスショー・レポ!

 サイエンスショーの会場となるサイエンスフロアは1Fにある。休憩時間は子供待ちのお父さんやお母さんの休憩所となっているけど、ひとたびサイエンスショーの開始を告げる場内アナウンスが会館中に流れると、30人くらいは収容できると思われるそのフロアも、たちまち多くの親子連れで満員御礼となった。
 今日のテーマは“うずまきパワー”。まず子供たちに与えられた課題は、こういうものだった。口のつながった2つのペットボトル。この片方に入っている水を、できるだけ早くもう片方のペットボトルに移してください。「はい、じゃあやってみたい人!」とおじさんが挙手を求めると、子供たちの手が本当に一斉に挙がった。しばらく見ていなかった光景だったのでまずその事に感動した。3人の子供たちが前に出た。それぞれ違う色のペットボトルを持ち、いざスタート!早かったのは、今日のテーマ、うずにいち早く目をつけたと思われる青い水の少年。次はペットボトルを上下に振りつつ持っていた、緑の水の女の子。そしてただ持っていただけのピンクの水の男の子が3番だった。

   毎回テーマは違うけど、い
   つも何かを発見できるはず

 たねあかしをすると、やっぱりうずがポイントとなっていた。水が何も入っていないほうに移動するということは、何も入っていなかったほうに入っていた“空気”が、逆に水のほうに移動するということなのである。下に落ちる水と、上に上がる空気。これらは互いに抵抗となってしまう。つながれた口を軸とするようにしてうずを起こしてやると、空気の通り道ができる。なので、何にも邪魔をされない水は、そのぶん早く下に落ちるのである。これは少し昔、一升瓶を早く洗うために用いられた知恵である。3人の子供たちにはごほうびとして竹とんぼがプレゼントされていた。

 次に与えられた問題は、3mくらい離れたところからろうそくの火を消してください、というものだった。もちろんいくらがんばって息を吹きかけたところでろうそくの火はピクリともしない。ただし子供たちには丸く穴の開けられたダンボールが、ヒントとして与えられた。首をひねる子供たち。もちろん科学離れの代表者といわれても致し方ないこの私もすっかり途方にくれていた。すると突然「わかった!」という威勢の声とともに一人の少年が前に進み出た。そして少年はダンボールの側面をおもいっきりたたき出した。ドーン、ドーンと少年がダンボールをたたくと、ねらいがうまくないせいか火は消えないものの、奥のカーテンが明らかに風の力によって揺らされた!これが正しく空気砲である。
 どこが“うずまきパワー”なのかというと、このとき発射される空気の進み方がそうである。それを私たちにはっきり見せてくれるために、職員さんたちはもう一工夫していてくれていた。ダンボールの中に、体に無害の煙を起こす。それから先ほどと同じように、ダンボールの側面をたたくと……。おもわず「ほおーっ!」と歓声をもらさずには入られない。煙色の白い空気が、くるくるとうずを巻きながらきれいな一直線を描いて進み、やがて奥のカーテンにぶつかってはじけた。これは実際に目にしないとわからない感動があると思った。
 子供が素直に驚いたり、喜んでいる様子を見て、やっぱり職員さんたちも喜んでいた。すごくいい空間だったと思った。

 夏休みに行われるもようしを紹介しておきます!

8/22(日)
99 青少年のための科学の祭典

  日時 8/22(日) 10:00〜16:00
  場所 児童会館・児童会館前広場

サイエンスショー
8/8(日)13:30〜、15:30〜
「超低温の世界B」
8/15(日)13:30〜、15:30〜
「自分で自分を持ち上げることができるか?」

科学工作
8/7(日)13:30〜
「スリットアニメーション」
「ピンホールカメラ」

子どもギャラリー
7/30(金)〜8/15(日)
「第18回静岡市公私立保育園絵画展」
8/28(土)〜9/12(日)
「第31回花の児童画展」

7・8月の催し
星を見る会
8/14(土)19:00〜21:00
8/28(土)19:00〜21:00
「天の川と夏の星座」

子ども映画会
8/ 1(日)13:30〜
「ピ−タ−・パンの冒険」ほか1本
8/ 8(日)13:30〜
「校長先生が泳いだ」ほか1本


以上、静岡私立児童会館でした。どうか1度ここを訪れて、いろいろな発見や驚きを経験してみてください!


By Makoto Murakami


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